AGRI NEWS [MAFF アプリ連携-農林水産省]

2021年09月27日

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【行政手続オンライン化】農政全般に対する御意見と回答

農林水産省では、補助金などの行政手続について、オンライン化を進めています。
その際、申請をする農業者や、審査をする地方自治体等の職員の皆様の事務負担を軽減するため、行政手続の申請書類や申請項目などについて、抜本的な見直しを進めています。

この取組の一環として、本アプリの「リアル行政手続リポートBOX」で、皆様より御意見を募集しています。
今回は、第3回募集時にいただいた、農政全般に関するご意見と、それに対する農林水産省の回答を紹介します!

(御意見)
 農業者は、提出を求められる資料のみ作成する。根拠資料は作成しない。その農業者の感覚で作る資料の作成と国が求める根拠資料を含めた資料の作成の差が、市町村が作成する分厚い資料の95%以上を占める。
 例えば、強い農業 担い手づくり総合支援事業·先進的農業経営確立支援タイプなどで設定する付加価値額の目標に必要な売上高の計算などは、農業者は経営者の肌感覚で目標を設定するが、県に提出する際にはそれぞれの品目がいくらでいくつ売れるかを求められる。おそらく、会計検査における必要資料であるため後々の対策として資料を求めているのであろう。
書類の多さを解消するには、会計検査院との調整が必要だと考える。

 上記のように助長するのは、そもそも農業経営者に補助したい市町村への補助、という制度になっているためではないだろうか。市町村税で雇った役所の職員に農業者の感覚と国の理論の隙間をすべて埋めるべく下請けのような制度を作り、国の施策を行っている。(それを示すとおり、職員の賃金負担すべて市町村負担だし、附帯事務費は制度は存在するが、 0で提出するように圧力がかかる)
 仮に、市町村が職員の充当をやめたら、どのように農業の振興 (すなわち農林水産省の目的の一つ)を図るのかご教示いただきたい。(本来有るべき姿=手続きをダイレクト化することによって、 事務の簡素化を図ることには賛成です)​

(回答)
 補助金の審査は、地域や産地の農業計画との整合性や、農業振興等にどのような効果があるか等の他、各補助事業の目的等に即した内容で行います。御指摘のあった強い農業担い手づくり総合支援事業·先進的農業経営確立支援タイプにおいては、地域の担い手の育成・確保、経営発展の観点も含めて計画の審査を行うこととしているところであり、助成対象者には必須の成果目標として「付加価値額の向上」の設定を求めているところです。
 このような助成対象者の計画や成果目標は、事業実施主体である市町村において的確・確実に審査すべきものであり、その際、「それぞれの品目がいくらでいくつ売れるか」等は、設定された付加価値額の拡大目標の妥当性や配分基準ポイントの的確性の審査にあたって必要不可欠な視点に基づくものです。
 助成対象者が「経営者の肌感覚で目標設定」をすることを否定するものではないものの、市町村は助成対象者から提出のあった計画の審査に当たっては、設定された目標の根拠となる資料・調書等の提示を受け、その適切性を審査・確認し、必要に応じて都道府県に提示等していただく必要があるものです。
 なお、現在行っている業務見直しは、農業者や市町村担当者の視点も含めて真にその資料や審査項目等が必要かという点から見直しを行っておりますので、具体的に見直すべき部分がありましたら、御意見をいただけると有難いです。
 会計検査院との調整につきましても御意見をいただきました。会計検査院に対しては、農林水産省所管の行政手続のオンライン化に向けて、各補助金等の業務見直しにより実施要領等の改正も行いつつ、実施要領等で求める必要最小限の書類の提出を前提に、全国統一したオンライン申請による手続を確立して行くことについて説明し、一定の理解を得ております。

 補助金・交付金の制度においては、農業従事者のそれぞれの価値観が多様化し、行政に対するニーズも多種多様化している中、地域の個性を生かした強い産地形成を実現するためには、国からの依頼に応じて対応するのではなく、農業従事者に身近な自治体が、地域の求めるニーズに対して、自らの判断と責任で対処し、地域の特色を生かした施策を進めていくことが必要と考えています。
 例えば、強い農業・担い手づくり総合支援交付金においては、産地の収益力強化と担い手の経営発展のため、産地・担い手の発展の状況に応じて必要な農業用機械・施設の導入を切れ目なく支援することとしておりますが、各地域の農業を一括りで捉えるのではなく、それぞれの地域の農業従事者の要望や困っていることなどを把握し、地域に寄り添った施策を展開していく必要があります。そのためには、より現場に近い自治体の役割が非常に重要であり、各自治体におかれては、地域の実情を踏まえ、自主的・自律的に、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指し活動していただきたいと考えています。
 また、現在、農林水産省が取組んでいる業務の抜本見直しは、農林水産省が所管する行政手続に関して申請者や自治体等の職員の皆様の業務の抜本的な省力化・効率化を図り、農業者は自らの経営に、自治体等の職員の皆様には地域農業の振興や農業者のサポートに注力できる環境にするために急ぎ進めているものです。引き続き、現場からの御意見をいただけると有難いです。

今後も、いただいたご意見を踏まえてより良い制度となるよう手続を抜本的に見直していきます。

情報元: 農林水産省

この記事は、農林水産省政策情報API を利用して取得した情報をもとに作成していますが
サービスの内容は農林水産省によって保証されたものではありません。

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