営農・栽培技術
密播ってどうやるの?田植えの際のポイント
水稲の低コスト栽培技術のひとつである「密播栽培」。一箱あたりの播種量を増やし、移植時の苗かき取り量を小さくすることで、面積あたりの使用箱枚数を削減できるのが密播栽培の特長です。
そんな密播栽培ですが、機械面でも難しいことはなく、今お手持ちの田植機で取り組むことが可能です。田植機の設定と移植時のポイントをおさえて、密播に取り組んでみましょう。
お手持ちの田植機で密播仕様に設定
苗取り量(縦かき取り量)は少なく、横送り回数は多く
密播栽培においても、植付本数は慣行と同様3~5本/株にします。種籾が厚播きになっている分、1回でかき取るブロックを小さくし、3~5本/株になるよう調整を行います。
基本的には横送り回数を多くし(24→28回)、ブロックの横幅を狭くします。
あわせて、縦かき取り量を少なくすることで、ブロックをさらに小さくすることができます。
密播対応オプション部品でさらに植えやすく
密播苗はお手持ちの田植機で植え付けることが可能ですが、密播専用のオプション部品を使用することでさらに植付精度が向上します。
横送り28回が標準装備でない田植機はオプションギヤで対応可能
PRJ・PR(A・B・Y型を除く)は横送り28回が標準装備です。A・B・Y型はオプションギヤを組み込むことで、横送り回数を28回まで増やすことができます。
組み替え前 | 組み替え後 | |
---|---|---|
PRJ8・7・6・5 | 18-20-24回 | 20-24-28回 |
移植時は浮き苗に気を付ける
密播栽培では慣行に比べ苗かき取り量を少なくするため、床土のブロックが小さく軽くなり、浮きやすい傾向があります。
浮き苗は欠株となり、欠株が一定量を超えると減収につながりますので、なるべく欠株を軽減できるよう以下の点に注意しましょう。
移植時の水はひたひた程度、入水は2~3日してから行う
移植した苗が固定されやすいよう、代かきは均平を意識し、適度な硬さに仕上げます。
また、移植時の水深は浅くひたひた水とし、移植後の入水は2~3日待ち、活着してから行いましょう。
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