営農・栽培技術
【事例】直播を効果的に取り入れることで人をバランス良く配置!
農事組合法人きすみの営農 様(兵庫県小野市)
取材日/平成29年11月
農事組合法人きすみの営農
代表理事・組合長 藤本 弘文さん
兵庫県小野市
[経営内容]
水稲16.7ha 小麦10.0ha
そば12.7ha 黒大豆1.53ha
小豆2.9ha
野菜(枝豆・サツマイモ・
キャベツ・ニンジン・
タマネギ・ジャガイモ)
[実施面積]
湛水直播:11.4ha
[コーティング資材]
べんがらモリブデン
コーティング比率: 0.3kg(乾籾1kgに対して)
播種量: 乾籾4kg/10a
ユーザーインタビュー
ー 直播には最近取り組まれたと伺っていますが、取り組み始めたきっかけは何ですか?
直播栽培は今年(平成29年)で2年目です。移植ばかりだと過密日程になってしまうので、少しでも前倒しで作業分散ができることを期待しました。今の直播は技術的に向上していて、昔のように発芽しないとか収量が落ちるといった欠点が解消されていると聞いていたので、ぜひ導入しようということになりました。
ー コーティングにべんがらモリブデンを選んだ理由は何ですか?
コーティング資材については、「コーティング作業が楽」と聞いたのでべんがらモリブデンを採用しました。
ー 収量はどれくらいでしたか?
今年の収量は10俵/10a。直播にしたから落ちるということはないようですが、毎年これだけ安定してつくれるようになるには我々のレベルアップが必要です。
ー 直播はどのぐらいの割合まで増やしていきたいですか?
導入したからには作業負荷を軽減するメリットのある規模、全体の3割、5haくらいまではやりたいですね。来年の計画は2.6haです。前作で麦→そばのほ場が2枚増えます。この2年は条件の良いほ場でやっていましたが、これから面積を増やしていくとなるとほ場を選べません。
ー ほ場を選べないとなると、条件を整える作業が必要になりますね。
とくに直播は水を入れるまでが重要です。しっかり均平がとれていないと発芽しなかったり生育が均一になりません。すき込みが不十分だと草が生えやすくなります。面積を増やすのであれば、改善を積み重ねていく必要があります。
ー 複合経営をされているので、稲作シーズンは人繰りが大変そうですね。
稲作のシーズンだからといって、稲作にべったり人員を配置しているわけではありません。年間を通して仕事を確保するために何品目かの野菜をつくっているので、田植え作業に人が集中しないようにしたいです。移植ではオペレータ1人、苗と肥料運搬1人、ほ場で苗・肥料補給2人、計4人必要ですが、直播はオペレータ1人、籾と肥料運搬1人、計2人でできます。働く人をバランス良く配置していくうえでも、直播栽培を効果的に経営に取り入れていければ良いと考えています。