研究開発戦略
研究開発方針
「農業機械を通じて社会に貢献する」という使命を抱き、 4つの技術精神に則って研究開発を実行します。
技術精神
01 アイデアを売り込む |
技術の基本はアイデアの開発にある。 絶えず頭脳を錬磨し、理論と経験に裏付けされたアイデアを商品に投入する。 |
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02 技術総力を発揮する | 蓄積されたすべての技術を駆使し、さらに広く新技術を求め総合技術力を発揮する。 |
03 常に一歩を先んじる |
企業競争の根源は尽きることのない技術力の競争である。 絶えず技術革新の方向を見きわめ、専業メーカーとして常に他社より一歩進んだ研究開発を行う。 |
04 商品理念に徹する | 優れた商品の開発により農家の繁栄に寄与すると同時に企業収益に貢献するという商品理念に徹する。 |
研究開発体制
企画・開発製造・営業の連携により、総合力を発揮する研究開発体制を構築し、市場ニーズや市場動向から商品戦略と研究開発の方向性を定め、迅速な研究開発に取り組んでいます。脱炭素化など環境問題、農業のスマート化への対応として、開発製造本部では先端技術関連の体制強化を図るとともに、グリーンイノベーション室の人員増強を行いました。人材育成、社内連携により不足する技術や人材を確保するとともに、設計技術の専門教育機関であるIETCにおいて電動化や水素を活用した農業機械の研究開発、自動化・ロボット化の促進のために技術者への教育にも力を入れています。
研究開発体制
重点戦略分野「商品開発テーマ」
井関グループは、国内外の市場動向やニーズを的確に捉え、「商品開発テーマ」を定めて研究開発の強化を進めています。当社の強みである技術力を活かした価値創造で、お客さまや社会の課題解決に貢献していきます。
社会の変化や課題
- 農業経営の大規模化
- スマート農業の加速
- 畑作、野菜作への転換
- 低価格ニーズ
- 農業機械のリース化
- 脱炭素社会の実現
- 食料の安定生産、供給
- アセアン・東アジア農業の拡大
- 景観整備需要の拡大
- ライフスタイルの変化
- 生産性向上
商品開発テーマ
国内戦略〈大規模化対応〉
- 大中型、低価格、スマート農機、畑・野菜作商品の強化
- 農業スタイルの変化対応(コントラ・リース)
海外戦略〈ブランド拡大対応〉
- 強みである欧州と北米商品の強化
- アセアン商品の強化
- 中国・東アジアのブランド定着
共通戦略〈安全・環境対応・先行開発(フロントランナー)〉
- 環境適合設計の推進
- 商品の電動化・水素の活用
- 排出ガス規制に適合した内製エンジンの拡大
- 農作業事故防止への対応
- 自動化、ロボット化、農業ICTデータ活用、他
人材育成
研究開発において総合力を発揮するためには、「人づくり」が重要であると考えています。そのため、開発、製造および営業の各部門にトレーニングセンターを設け、各分野における専門人材の育成を図っています。
専門人材の育成
開発 IETC(設計基本技術トレーニングセンター)
IETCでは、若手開発技術者の設計技術の向上と中堅技術者の専門技術の向上を目的とした人材育成を行っています。
研修のひとつである「稲作機械化一貫体系研修」では、技術者が担当機種だけでなく、土づくりから乾燥調製までの一連の農作業や機械操作を経験することにより、お客様目線でのものづくりにつなげています。
製造 ITTC(ISEKIテクニカルトレーニングセンター)
ITTCでは、国内外の生産拠点のリーダー育成および製造現場の技能向上と若手育成を目的とした研修を行っています。製造全般の基礎知識と溶接や塗装等の専門的な技能を高め、ものづくり指導者の育成を目指す「ものづくりリーダー養成コース」の実施や技能教育成果を競う「技能コンクール」を開催しています。
販売・サービス IGTC(ISEKIグローバルトレーニングセンター)
IGTCでは、国内外のセールス・サービスのグローバル人材育成を目的として、販売会社、海外からの研修生を受け入れて教育を行い、技術サービスの向上を図っています。市場やニーズの変化を受け、大型機械やスマート農機に特化した研修コースも開設しています。
技術研究発表会
井関グループでは、毎年、技術研究発表会を開催しています。研究開発の成果や発明情報を共有すると共に、討論による切磋琢磨にて互いに研鑽を積むことで、井関グループ全体のレベルアップを図っています。